レンタル彼女お触りします総集編III+13
包まれたいバレそうな緊張が好き
読んでいたところから開きました
貸切の札を掛けたのは、私だった。
一泊の旅行で、部屋は三つ取ってあった。三人で来ることになった経緯は、いま思い返しても大したものではない。誰かの予定が空いて、誰かが誘って、私が断らなかった。それだけ。
夕食のあと、彼が「風呂、貸切にしてきた」と言った。もう一人が「三人で?」と訊いて、彼が「三人で」と答えた。私が何も言わなかったことが、返事になった。
脱衣所で決めごとを一つだけ作った。「いや」と言ったら本当に終わり。それ以外は何も決めなかった。決めなかったことが、あとで効いた。
湯に入ってしまえば、体は隠れる。そう思っていた。
実際は逆だった。湯の中は、視線が届かないぶん、手が届く。誰の手なのか分からない、という状態が最初から成立してしまう。岩に背中を預けて座った私の、両隣に二人が座った。それだけで、私は自分の呼吸が浅くなったのが分かった。
最初に触れたのは、たぶん彼のほうだった。太ももの外側を、湯の流れと区別がつかないくらいの速さで撫でられる。反対側から、別の手が膝の内側に入ってきた。二つの手が、違う速さで、違う方向に動いている。目で追えない。追えないから、感覚だけが増幅する。
「顔、赤いよ」
「……湯のせい」
「じゃあ、もう少し入っとく?」
そう言われて、肩を押さえられた。逃げようとしたわけではないのに、押さえられた瞬間に「逃げられない」という形になった。形になった途端、腰の奥がはっきり疼いた。
湯の中で、脚を開かされた。
外から見れば、私たちはただ三人で湯に浸かっているだけだった。
湯面から上には、私の肩と、二人の肩しか出ていない。表情だけが並んでいる。その下で、私の襞が左右に開かれて、剥き出しにされたクリが二本の指で確かめられている。この落差が、この夜のいちばん悪いところだった。
「静かにできる?」
「……できる」
「じゃあ、してみて」
クリを直接押されて、私は最初の声を噛み殺した。噛み殺したのが伝わったのか、指が同じ場所を、同じ速さで、何度も往復し始めた。反対側の手が、中に二本入ってくる。湯の中なのに、自分のぬめりだけははっきり分かった。逃げようとして腰を引くと、後ろに岩がある。前に出ると、指が奥まで届く。詰んでいる、と思った瞬間、その「詰んでいる」こと自体が気持ちよかった。
湯の中で潮を吹いたかどうかは、分からない。分からないけれど、体は確かに一度、決壊した。膝から力が抜けて、私は二人に支えられたまま、口を開けて息をしていた。
「のぼせる前に、出よう」
抱えられるようにして、洗い場の板の間に寝かされた。
冷たい木の上に、湯で火照った体を置かれる。その温度差だけで、肌が全部立った。
上から覗き込まれている。二人分の顔が、逆さまに、私を見下ろしている。見られている、という状態に慣れる前に、片方が脚のあいだに顔を伏せた。
口で愛撫される、というのを、私はそれまで「してもらうもの」だと思っていた。この夜のそれは、違った。逃がさないための手段だった。腰を掴まれて、剥かれたクリを舌が執拗に往復する。吸われて、転がされて、また吸われる。私が体をよじると、掴む力が強くなるだけ。もう一人が上から両方の乳首を摘まんで、硬くなった先を指の腹で潰す。こちらは緩急をつける。
上と下で、担当が分かれている。
その、分業されている感じに、頭がおかしくなりそうだった。ひとりの相手なら、快感には一本の筋が通る。二人だと筋が二本あって、交差する場所が毎回ずれる。ずれるたびに、私は同じところに戻れない。戻れないまま、上へ上へと押し上げられていく。
「もう、むり、出る、なにか出る……っ」
「出していいよ」
許可を出されたことが、最後の一押しだった。中の指を抜かれた瞬間に噴いて、板の間に音がした。太ももが痙攣して止まらない。自分が何を撒き散らしたのか、確かめる余裕はなかった。
そこから先の記憶は、順番があやしい。
湯に戻されて、また指を入れられたのは覚えている。奥のほうを内側から押されて、そこが自分の弱点だと初めて知ったのも、たぶんそのときだ。「ここ、覚えとくね」と言われて、覚えられることの怖さと嬉しさが、同時に来た。
最後は、湯の縁に掴まって、後ろから根元まで挿れられた。奥に当たるたびに湯が波打って、肌を打つ音が岩に反響する。もう一人が横から乳首を弄って、突かれるたびに揺れるのを押さえた。目の前に、夜の山があった。虫の音がして、湯が流れる音がして、その全部の上に自分の声が乗っていた。誰にも聞こえない、と分かっている場所で出す声は、部屋で出す声とは別のものだった。締めつけたまま、私は二度いった。
朝、三人とも普通に朝食を食べた。
女将さんに「よく眠れましたか」と訊かれて、私が「はい」と答えたとき、二人が同時に湯呑みを置いた。それだけのことで、私はまた顔が熱くなった。
帰りの電車で、彼が「また来る?」と訊いた。私は窓の外を見たまま、「貸切、取れたらね」と答えた。
取れないわけがない、と三人とも知っていた。
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包まれたいバレそうな緊張が好き
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今夜のものを見るこの物語は創作です。登場する人物・団体はすべて架空で、 描かれる行為はいずれも成人どうしの合意の上のものです。