銭湯のおねえさんと交わる、4日間の夏
包まれたい脚に目がいく歳の差が効く
読んでいたところから開きました
その人は、私より二十歳上だった。年上は強引だと、誰かに刷り込まれていた。実際は、逆だった。
「急がないよ。今日は、何もしなくてもいい」
夜の十一時にお茶を淹れる人だった。拍子抜けして、肩の力が抜けた。抜けたのを見計らったように、その人は私の手を取った。
手の扱いが、もう違った。
同年代の彼らは、手を「次へ進むための取っ手」みたいに握った。その人は、手そのものを目的地にした。指の一本ずつ、関節のひとつずつ、手首の内側。「ここ、疲れてる」と言いながら親指で解いていく。手のひらの真ん中を押されたとき、体の芯まで響いた。手だけでこんな音がする楽器だったなんて、二十九年、誰も教えてくれなかった。
同じ丁寧さが、そのまま下りてきた。急がない指が、皮を剥かずに外側からクリを探し、位置を確かめてから、はじめて直接触れる。二十年ぶんの差というのは、たぶんこの手順のことだった。中に入ってきた指も同じで、奥まで行かずに手前の上側で止まり、そこを繰り返す。「ここでしょう」と言われて、頷くしかなかった。
寝室でも、その人は急がなかった。一枚脱がせては、現れた場所を時間をかけて確かめる。首筋を、鎖骨を、胸のふくらみを、手のひら全体でゆっくり包む。掴むのではなく、温度を移すみたいに。次の一枚まで、たっぷり間がある。私の呼吸が上がるのを待って、落ち着くのをまた待って、それからやっと進む。
じれったさで先にこちらが動こうとすると、手のひらでやわらかく止められた。「もったいないから」
もったいない。私を指してその言葉を使った人は、初めてだった。
太ももの内側を、大きな手が上へ辿る。焦らすためではなく、確かめるために。際どいところに届いても、その人はすぐには触れない。まわりを、指の腹で、ゆっくり。私がもう待てなくて腰を浮かせて、やっと、そこに触れられた。ひと撫でで、自分がどれだけ濡れているか、その人の指を通して知らされた。
気づいたら、泣いていた。
悲しくもないのに涙が出るのは、体が先に降参したからだ。丁寧に扱われることに、体は慣れていなかった。雑に扱われることには、あんなに簡単に慣れたのに。
「大丈夫?」
「……大丈夫。続けて、ください」
敬語が出た。その人は笑って、目尻の涙を親指で拭って、それから今までで一番深いところに触れた。焦らし切られた体は、最初のひと押しで簡単に音を上げた。急がない指が、私の中で、一番いい角度をゆっくり探して、見つけて、そこだけを丁寧に掻く。親指はクリに置いたまま、離さない。中と外を同時に、同じ速さで。締めつけても慌てない。慌てないから、こちらが先に崩れる。挿れられたときも同じで、根元まで収めてからしばらく動かず、私の中が慣れるのを待ってから、奥だけを一定の速さで。二回目も、三回目も、その人は数えていないみたいに、ただ丁寧だった。
朝、その人はコーヒーを淹れていた。
「昨日の、その……上手すぎませんか」
「上手じゃないよ。急ぐ理由が、もう無いんだ。この歳になると」
二十歳ぶんの余裕は、テクニックじゃなくて、時間の使い方だった。私はコーヒーを受け取りながら、次の夜の約束を、自分から口にしていた。
本サービスはアフィリエイトプログラムを利用しており、提携サイトへの遷移・購入により収益を得ています。
包まれたい脚に目がいく歳の差が効く
独占されたいリードされたい着たままがいい
独占されたい自分がされている感じがいい決めてほしい
止めてほしくないじっくり触られたい包まれたい
包まれたいじらしが好き触れるか触れないかが好き
好みを覚えて、今夜の1本だけを出します。登録は要りません。
今夜のものを見るこの物語は創作です。登場する人物・団体はすべて架空で、 描かれる行為はいずれも成人どうしの合意の上のものです。