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独占されたい包まれたい密着していたい
読んでいたところから開きました
付き合って半年、私たちはまだ最後までしていなかった。急がないでいてくれたのは彼のほうだ。キスと、それから先の少しずつを、半年かけて覚えた。
「今日、いいよ」
言ったのは私だった。皿を拭いている彼の背中に向かって。彼は皿を置いて、「うん」とだけ言った。大げさにしないでくれたことに、まず安心した。
シャワーを先に借りて戻ると、照明が一段落ちていた。
彼はまず、いつもどおりのキスをした。特別な夜の特別なキスじゃなくて、半年繰り返してきた、温度の分かっているキス。そこから始まったので、体は「知らない場所」ではなく「知っている場所の続き」として、今夜を受け取った。
半年ぶんの想像を、彼は焦らず、実物に変えていく。首筋に唇を落とし、鎖骨を辿り、乳首を口に含んで舌で転がす。焦らされていないのに、体はもう半年分待たされている。彼の手が下りて脚のあいだに触れたとき、そこはとっくに濡れていた。
彼は指の腹でクリトリスを探り当て、皮の上から小さく円を描いた。慣れた手つきだった。半年のあいだ、そこだけは何度も可愛がられている。声が出るのを我慢していると、「今日は我慢しなくていい」と耳元で言われた。
濡れているのを確かめるように、彼はゆっくり指を沈めた。一本、それから二本。中を広げるみたいに動かしながら、私が慣れるのを待つ。指が上の壁を押すたび、下腹の奥が勝手に締まった。
「痛かったら言って。やめるのも、途中で全然あり」
「うん」
「ほんとに、あり」
二回言った。その二回目が、たぶん私の最後の力みを解いた。
最初の感覚は、痛みではなく、熱だった。
覚悟していたぶん拍子抜けするくらいゆっくりで、彼はその間ずっと私の顔を見ていた。目をつぶりたいのに、見ていたい。視線が合ったまま体がつながっていくのは、想像していたどの形よりも恥ずかしくて、正しかった。奥まで収まったとき、二人同時に息を吐いた。
中がいっぱいになる感覚は、指のときとまるで違った。押し広げられている、というより、内側から形を教えられている。彼が浅く動きはじめると、入り口の縁と、奥の行き止まりが、別々に鳴った。
動きはじめてからも、彼は急がなかった。半年間ずっとそうだったように、私が一番いいところを探して、見つけて、そこだけを確かめるように突く。奥の少し手前、上側。そこを繰り返し擦られるうちに、快感の質が変わった。鋭さが消えて、腰から下が全部ひとつの塊になる。
「そこ、だめ、変になる」
「変になっていいよ」
繋がったまま、彼の指がクリに戻ってきた。中と外を同時に責められて、逃げ場が完全に消える。波は突然じゃなく、遠くからゆっくり来て、私はそれを最初から最後まで見ていられた。声を我慢しなくていいことに、途中で気づいた。我慢する理由が、この部屋にはひとつもなかった。
初めてなのに、私は中でイった。彼の背中に爪を立てて、名前を呼んで、半年目の夜に、彼の下で崩れた。締めつけたのが自分でも分かって、その直後に彼も低く呻いた。
終わってから、彼は私を抱えたまましばらく動かなかった。
「半年、長かった?」
「長かった。でも、今日のために長かったんだと思う」
うまいこと言った顔をしていたので、脇腹をつねっておいた。笑い合って、二回目は、一回目より少しだけ急いだ。急ぐのも、悪くなかった。
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今夜のものを見るこの物語は創作です。登場する人物・団体はすべて架空で、 描かれる行為はいずれも成人どうしの合意の上のものです。