真面目な人ほど

ギャップ・性格ハーレム・複数言葉責め・台詞挿入・本番

4分で読めます・1,8822026年8月30日

彼女は、周りから「絶対そういうことに興味なさそう」と言われる側の人だった。

言われるたびに曖昧に笑って、話題を変える。飲み会でも一番に帰る。服の襟は必ず詰まっている。そういう人だと、私も三ヶ月前までは思っていた。

言い出したのは彼女のほうだった。二人で飲んでいた夜に、グラスを見たまま。

「三人でしてみたいって言ったら、引く?」

引かなかった。引かなかったけれど、しばらく声が出なかった。彼女がその沈黙をどう受け取ったのか、少しだけ肩が下がったのが見えて、私は慌てて「引かない」と言った。

決めごとは彼女が作った。作った文面が、仕事のメールみたいに整っていた。誰かが「やめ」と言ったら全部終わり。写真は撮らない。三人とも、翌日この話をしない。読みながら、私はその几帳面さに勃っていた。

* * *

当日、彼女は襟の詰まった服で来た。

来て、部屋に入って、鍵を閉めて、それから一言だけ言った。

「じゃあ、脱ぐね」

事務的な声だった。事務的な声のまま、ボタンを上から順に外していく。手つきに迷いがない。迷いがないぶん、こっちの喉が鳴った。

もうひとりが「早くない?」と笑った。彼女は顔も上げずに答えた。

「時間もったいないから」

その一言で、部屋の温度が変わった。

* * *

驚いたのは、口の悪さだった。

普段の彼女は、丁寧な言葉しか使わない。使わない人が、下着を脱がされた瞬間から別の語彙で喋りはじめた。

「もう濡れてるから、そのまま挿れて」

あの整った声のまま、そう言う。そのねじれで、私は一度持っていかれかけた。

「そんな喋り方するんだ」

「……こういう時だけ」

「他の人にも?」

「言わない」

言い終わってから、彼女が私の目を見た。見たまま、腰を落としてきた。指も使わずに、濡れているだけで先が沈んでいく。入るあいだ、彼女は目を逸らさなかった。中は熱くて、入口だけがきつくて、奥は驚くほど柔らかかった。根元まで収まったところで、彼女が初めて眉を寄せた。

「……奥、当たってる」

その顔を職場の誰も知らない、と思った瞬間、中が一度、強く締まった。

* * *

もうひとりが後ろから乳首をつまんだとき、彼女の背中が跳ねた。

「二人は、ずるい」

「言ったのそっちでしょ」

言い返されて、彼女が黙った。黙ったまま、下から突かれて、後ろから両方の乳首を転がされる。硬く尖ったそこを指の腹で潰されるたびに、繋がっているところが勝手に締まった。締まるのが分かるので、こっちも動きを合わせて奥を叩く。

それでも彼女は、声だけは我慢していた。堪えている喉が動くのが見える。

「我慢しなくていいのに」

「……する」

「なんで」

「聞かれると、恥ずかしいから」

その返事が、どうしようもなく彼女らしかった。全部脱いで、二人に挟まれて、それでも恥ずかしいの基準がそこにある。

私は彼女の顎を上げて、口を塞いだ。舌を入れたら、堪えていたぶんが全部こっちに流れ込んできた。喉の奥で鳴った声が、そのまま私の口の中で溶けた。

* * *

崩れたのは、そのあとだった。

一度声を出してしまうと、もう戻せないらしかった。彼女は自分でも驚いた顔をして、それから諦めた。諦めてからの彼女は、こっちが引くくらい素直だった。

してほしいことを、順番に、はっきり言う。乳首はもっと強く。クリは触らないで、まだ。奥を、同じ速さで。仕事の指示を出すときと同じ言い方で、まったく違う内容を言う。言われたとおりにすると、律儀に「ありがとう」と言う。そのちぐはぐさが、この夜のいちばん深いところだった。

そのうち指示も出せなくなった。後ろから乳首を、前からクリを、下からは奥を。三箇所が同時に来ると、彼女は自分から腰を振りはじめた。振りながら、シーツを掴んで、口だけが「まだ」と言っている。

「まだって、どっち」

「……まだ、やめないで」

イくとき、彼女は一度だけ大きく仰け反って、そのあと中がずっと痙攣していた。痙攣が引ききる前に次を入れると、また同じところで跳ねた。何度いったのかは、三人とも数えていない。最後のほうで彼女は言葉を失くして、それでも私の手だけは離さなかった。

* * *

朝、彼女は先に起きて、髪を整えていた。

襟の詰まった服を着て、鏡の前で、昨日と同じ人に戻っていく。戻っていく途中の横顔を、私はずっと見ていた。

「見ないで」

「見てる」

「……昨日のことは、話さない約束」

「話してない。見てるだけ」

彼女は少しだけ笑って、鞄を持った。ドアの前で振り返って、事務的な声で言った。

「また作るから、決めごと」

それだけ言って出ていった。私はその「また」の一語で、その日一日ずっと使いものにならなかった。


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この物語は創作です。登場する人物・団体はすべて架空で、 描かれる行為はいずれも成人どうしの合意の上のものです。