キャリア女刑事堕ちる
包まれたいリードされたい身動きが取れないのがいい
読んでいたところから開きました
その子は、私にだけ敬語を使わなかった。
会社では誰にでも丁寧なのに、二人になった瞬間からタメ口になる。舐められている、というより、試されている感じがした。試されているなら、答えを出したほうがいい。
「賭けようか」
「なにを」
「今夜、あなたが先に敬語になったら私の勝ち。最後まで使わなかったら、あなたの勝ち」
「なにそれ。余裕なんだけど」
その一言が欲しかった。
決めごとはひとつ。「無理」と言ったら賭けごと終わり。それ以外はこちらが決める。彼はそれを聞いて、鼻で笑った。笑ったまま、シャツを脱いだ。
最初の十五分は、本当に余裕そうだった。
胸を舐めても、腹を撫でても、口の悪さは変わらない。「へた」「そこじゃない」「もっと下」。注文が多い。多いぶん、まだ余裕がある。
私は下着を脱がせて、根元を握って、そのまま何もしなかった。
「なにしてんの」
「見てる」
「意味わかんない」
意味は、そのうち分かった。握ったまま動かさない、というのを五分続けたら、彼の呼吸が変わった。変わったところで、やっと一往復だけ扱いた。腰が浮いた。
「今、浮いたね」
「浮いてない」
「浮いた」
口に含んだのは、二十分経ってからだった。
根元まで咥えて、頬をすぼめて、わざと音を立てる。喉の奥まで迎えて、そこで止める。腹が硬くなったのを確かめて、全部離す。抜くときに唾が糸を引いて、それを彼の目の前に見せた。
「……なんで止めんの」
「まだ敬語じゃないから」
三回目の寸止めで、口の悪さの質が変わった。命令から、抗議になった。四回目で、抗議から懇願になった。言葉遣いだけが、まだ変わらない。
意地だ、と思った。意地なら、折るところは口ではない。
跨がって、入口だけを当てた。
濡れているのは分かるようにして、それ以上は下ろさない。彼が下から突き上げようとするたびに、腰を上げて逃げる。何度か繰り返したら、彼が動くのをやめた。やめてから、目を合わせてきた。
「……入れて」
「まだ足りない」
そこで一気に根元まで下ろした。中に全部収まった瞬間、彼の喉が鳴った。奥に当たっているのは、こちらも同じだった。子宮口に当たるたびに、私のほうが声を出しそうになる。
出さなかった。ここで出したら、賭けが台無しになる。
そこからは、こちらの速さだけで動いた。
彼が合わせようとしたら止める。止めて、また動く。締めつけて、緩めて、また締める。中で確かめられるので、彼が近いかどうかは全部こちらに分かった。近くなったら止まる。止まって、彼の顔を見下ろす。
「まだ?」
「……っ、」
「言えば、動くよ」
五回目に止めたとき、彼が両手でシーツを掴んだ。掴んで、目を閉じて、それから言った。
「……お願い、します」
出た。
出た瞬間、私は動くのをやめなかった。約束どおり動いた。動きながら、耳元で聞いた。
「もう一回」
「……お願いします、動いてください」
その声が、会社で誰にでも使っているのと同じ声だったので、私はそこで自分のほうが保たなくなった。締めつけたまま奥を叩きつけて、二人ともほとんど同時に落ちた。
終わったあと、彼はしばらく喋らなかった。
「……ずるい」
「なにが」
「あれ、ずっと狙ってたでしょ」
「狙ってたよ。最初から」
彼は天井を見たまま、ため息をついた。ため息のあと、小さい声で「負けました」と言った。
その日から、彼は私にも敬語を使うようになった。会社では今までどおりに。二人のときだけ、なぜか丁寧になった。逆になったのが面白くて、私はまだ何も指摘していない。
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包まれたいリードされたい身動きが取れないのがいい
言葉で責められたい従いたい包まれたい
リードされたい言葉で責められたい従いたい
包まれたい言葉で責められたい背徳感がほしい
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今夜のものを見るこの物語は創作です。登場する人物・団体はすべて架空で、 描かれる行為はいずれも成人どうしの合意の上のものです。